BUYYERS KITCHEN

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【バイヤーインタビュー】

株式会社三越伊勢丹 中島 信一郎様

バイヤーズキッチンはじっくり見ながら説明を聞ける。想定していなかった商品にも出会える。

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株式会社三越伊勢丹が手掛ける「ISETAN DOOR(イセタンドア) 」でバイイングを担当しているのが「中島 信一郎さん」。日々、さまざまな商品の決定や交渉、購入を行っているそうです。

バイヤーズキッチン立ち上げの頃から参加して頂き、「もう、5、6回以上は参加している」という中島さんにバイヤーズキッチンのメリットを伺いました。

「ISETANDOOR」では調理キットの人気が高まっています

──「ISETANDOOR」について教えてください
2018年6月にスタートした、食品を中心に様々な商品をご自宅までお届けする定期宅配サービスです。
現在、会員数は約3万人おり、百貨店店頭で販売しているものをお届けすることはもちろんですが、それ以外にも宅配独自の商品や提携先のOISIXのアイテムも取り扱っています。開始直後は食料品のみでしたが、徐々に食料品以外のアイテムも増えてきています。

──中島さんのご担当は?
私は「ISETAN DOOR」で販売する食品商品のバイイングです。商品の決定や交渉、購入を行っています。

──「ISETAN DOOR」ではどのような商品が売れているのですか?
いろいろありますが、具材や調味料など必要なものが総て揃っている「調理キット」に人気が高まっています。「調理キット」を購入されるお客様は、買い物に行くのが大変とか、時短したいという方です。自宅に宅急便で届いて、パッと作れると好評を頂いています。

──具体的にはどういった商品でしょう?
ロングセラーになっているものとしてはレストラン監修の「冷凍パエリアキット」があります。魚介の具材が4種類にスープがセットとなっており、炊いたご飯からでも、生米からでも作れます。定番商品としてお客様から評判の高いものです。SNSなどで、お客さまが作られた画像などをも見かけることも多く、担当者として嬉しく思います。百貨店を訪れるお客様は、今日か明日に召し上がるために来店されることが多いと思われます。しかし、「ISETANDOOR」では週に一度の配送で数日の食事を賄いたいと考えるお客様が多いように感じます。例えば水曜にお届をする場合も、週末に自宅で簡単に調理することもイメージされて購入されます。そのため、冷蔵庫にストックしておいて、来るべきタイミングで調理できる商品が好評なのではないでしょうか。
──それで「パエリアキット」が好評なんですね。

──その他に意識されていることはありますか?
なるべく毎週、購入いただけるよう繰り返し購入したくなるような定番品を提案することです。また週に7回ある夕食のうち、3~4回くらいは「ISETAN DOOR」のメニューが食卓を飾ることをイメージしています。高級食材ばかりだと、クリスマスや誕生日があるときは良いのですが、購買頻度は下がってしまいます。あくまでも日常を意識するのが、百貨店の店頭とは違うところかもしれません。
その他にも人気商品に1食380円(税抜)の「チャーシュー麺」がありますが、週に1500~2000個は売れています。チャーシューがフリーズドライではなく、しっかりとした煮豚で、生麺をゆでてスープを溶かすだけで簡単に食べることが出来ます。インスタントラーメンと考えれば380円は高いかもしれませんが、お店に食べに行くことを考えればお得感があるのではないでしょうか。

──新しい商品を見つけてくるのはどのくらいの比重なのでしょうか?
今後成長していくためにはどこでも買える商品ばかりでは正直、難しい。新商品は必要不可欠です。そのため私の業務の半分以上は新たな商品の買い付けや開発のための交渉です。残りは仕入れたものをどう売って行くか、販売施策を他のメンバーと共に考えることです。

ECサイトでは商品映えや、お客様に届けるパッケージも大事

──バイヤーズキッチンには最初のころから参加して頂いていますが、どのようなところが良いですか?
もう、5、6回かそれ以上は参加しています。行くと、12~13件。多くて15件あるうち、面白いなと思うのが3、4件。もう少し話を聞いてみたいと思うのも3、4件はあります。実際に商談になるのは1、2件ですが、1件でもあるのは凄いことだと思います。

1メーカーごとにブースを設け、バイヤー様が見やすい展示を心がけている

──バイヤーズキッチンに参加してみていかがでしたか?
今までよく地方に行っていましたが、今はコロナの影響で行くことが難しくなっています。従って、バイヤーズキッチンを使うことはメリットがあると思っています。
大規模な商談会の方が効率は良いように思われるかもしれませんが、そうでもありません。というのは、スケジュールの都合で1、2時間でさっと見るだけになってしまうこともあり、十分に説明を聞くことや質問をすることも難しいことがあります。

でも、バイヤーズキッチンだとブースは少ないので、同じ1、2時間あればひとつひとつをじっくり見て説明を聞けます。想定していなかった商品にも出会うこともメリットです。
「ISETANDOOR」で人気商品になった藤田観光りんご園さんの「アップルパイ」などは、最初から考えていたのではなく、試食させて頂いて、同席したアシスタントバイヤーが「やってみたいです」と言ったことがきっかけで取引させて頂くようになりました。
バイヤーズキッチンでは実際にメーカーさんと会うわけではないので、問い合わせの回答が若干遅いというデメリットはあります。でも、日庄のスタッフが、例えば藤田観光りんご園さんの場合、どれくらいの種類のりんごを栽培しているとか、地元の主婦たちが製造している、自治体の支援もあり工場の設備もしっかりしている、と熱心に説明してくれました。そこで「だったら一度、お会いして話をしてみたい」と思い、アシスタントバイヤーと共に現地まで出向いて、確認しました。

出展したバイヤーズキッチンの藤田観光りんご園ブースの展示スペース。スタッフが展示・POP作成まですべて行う
「ISETAN DOOR」で取り扱いとなった藤田観光りんご園様の出展ブース

──バイヤーズキッチンではどういったところをポイントにしているのですか?
ECサイトなので、画面を通じて商品の特徴が伝えられるかどうか、そこには見た目の華やかさも含みます。実際に食してみれば、美味しい商品というのはたくさんあるでしょうが、残念ながら人によって「求めている」商品の基準はもちろん異なります。正直、百貨店の店頭で扱っているアイテムというのは、ライバルも多く、「お客様がそんな商品が欲しかったと思うこと」はそれほど多くありません。「そんなアイテムがあるとは思わなかった」と思えるようなアイテムに出会えたら、その商談会は大成功ですね。
また、パッケージがお客様に届けるのに適しているか、ということもチェック項目です。パッケージ映えることも大切ですが、発送の都合も考えるということです。

──最後に地方のメーカーに期待することはなんでしょうか?
よく、「地元のこのお肉を使っています」とかアピールされるメーカーは多いのですが、お客様はそこにはこだわっていないことも多いです。~もちろん、地元の食材に自信とプライドを持って頂くのは良いのですが~、正直、似たような食材は日本中にいくらでもあるというのも事実です。
それより、「このお肉はこんな特徴があるから、今までにないこんな使い方ができるアイテムを考えてみました」となると取り上げたくなります。
お願いとしては、どの販路(商流)でお客さまに届けるかを考えることです。百貨店、スーパー、専門店、外食、通販、宅配、ECサイト、ギフト、最近ならふるさと納税など様々なルートがありますが、それぞれで求められる性質や条件が異なります。「いいな」と思う商品があっても、異なるルートを意識した条件だと残念に思うことがあります。
味や素材、製法へのこだわりと同じくらい、お客さまにどのような形(販路・商流)で届けるかを考えてもらいたいと感じることが多いですね。

──貴重なお時間いただきまして、ありがとうございました。


【事務局からのコメント】
中島様とは以前より、お付き合いがあり他商談会などにもご参加いただいておりました。実際の業務内容を深くお聞きしたことがありませんでしたので、私たちも業務内容をより理解することが出来ました。
そして、バイヤーズキッチンに対しても率直なご意見をお聞きすることができました。メーカー様がいらっしゃらない分、商品の魅力、流通に関しての条件などは丁寧にヒアリングするよう心がけております。バイヤー様とメーカー様の出会いの場として発展していけるよう、スタッフ一同日々精進してまいります。

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株式会社三越伊勢丹が手掛ける「ISETAN DOOR(イセタンドア) 」でバイイングを担当しているのが「中島 信一郎さん」。日々、さまざまな商品の決定や交渉、購入を行っているそうです。

バイヤーズキッチン立ち上げの頃から参加して頂き、「もう、5、6回以上は参加している」という中島さんにバイヤーズキッチンのメリットを伺いました。

「ISETANDOOR」では調理キットの人気が高まっています

──「ISETANDOOR」について教えてください
2018年6月にスタートした、食品を中心に様々な商品をご自宅までお届けする定期宅配サービスです。
現在、会員数は約3万人おり、百貨店店頭で販売しているものをお届けすることはもちろんですが、それ以外にも宅配独自の商品や提携先のOISIXのアイテムも取り扱っています。開始直後は食料品のみでしたが、徐々に食料品以外のアイテムも増えてきています。

──中島さんのご担当は?
私は「ISETAN DOOR」で販売する食品商品のバイイングです。商品の決定や交渉、購入を行っています。

──「ISETAN DOOR」ではどのような商品が売れているのですか?
いろいろありますが、具材や調味料など必要なものが総て揃っている「調理キット」に人気が高まっています。「調理キット」を購入されるお客様は、買い物に行くのが大変とか、時短したいという方です。自宅に宅急便で届いて、パッと作れると好評を頂いています。

──具体的にはどういった商品でしょう?
ロングセラーになっているものとしてはレストラン監修の「冷凍パエリアキット」があります。魚介の具材が4種類にスープがセットとなっており、炊いたご飯からでも、生米からでも作れます。定番商品としてお客様から評判の高いものです。SNSなどで、お客さまが作られた画像などをも見かけることも多く、担当者として嬉しく思います。百貨店を訪れるお客様は、今日か明日に召し上がるために来店されることが多いと思われます。しかし、「ISETANDOOR」では週に一度の配送で数日の食事を賄いたいと考えるお客様が多いように感じます。例えば水曜にお届をする場合も、週末に自宅で簡単に調理することもイメージされて購入されます。そのため、冷蔵庫にストックしておいて、来るべきタイミングで調理できる商品が好評なのではないでしょうか。
──それで「パエリアキット」が好評なんですね。

──その他に意識されていることはありますか?
なるべく毎週、購入いただけるよう繰り返し購入したくなるような定番品を提案することです。また週に7回ある夕食のうち、3~4回くらいは「ISETAN DOOR」のメニューが食卓を飾ることをイメージしています。高級食材ばかりだと、クリスマスや誕生日があるときは良いのですが、購買頻度は下がってしまいます。あくまでも日常を意識するのが、百貨店の店頭とは違うところかもしれません。
その他にも人気商品に1食380円(税抜)の「チャーシュー麺」がありますが、週に1500~2000個は売れています。チャーシューがフリーズドライではなく、しっかりとした煮豚で、生麺をゆでてスープを溶かすだけで簡単に食べることが出来ます。インスタントラーメンと考えれば380円は高いかもしれませんが、お店に食べに行くことを考えればお得感があるのではないでしょうか。

──新しい商品を見つけてくるのはどのくらいの比重なのでしょうか?
今後成長していくためにはどこでも買える商品ばかりでは正直、難しい。新商品は必要不可欠です。そのため私の業務の半分以上は新たな商品の買い付けや開発のための交渉です。残りは仕入れたものをどう売って行くか、販売施策を他のメンバーと共に考えることです。

ECサイトでは商品映えや、お客様に届けるパッケージも大事

──バイヤーズキッチンには最初のころから参加して頂いていますが、どのようなところが良いですか?
もう、5、6回かそれ以上は参加しています。行くと、12~13件。多くて15件あるうち、面白いなと思うのが3、4件。もう少し話を聞いてみたいと思うのも3、4件はあります。実際に商談になるのは1、2件ですが、1件でもあるのは凄いことだと思います。

1メーカーごとにブースを設け、バイヤー様が見やすい展示を心がけている

──バイヤーズキッチンに参加してみていかがでしたか?
今までよく地方に行っていましたが、今はコロナの影響で行くことが難しくなっています。従って、バイヤーズキッチンを使うことはメリットがあると思っています。
大規模な商談会の方が効率は良いように思われるかもしれませんが、そうでもありません。というのは、スケジュールの都合で1、2時間でさっと見るだけになってしまうこともあり、十分に説明を聞くことや質問をすることも難しいことがあります。

でも、バイヤーズキッチンだとブースは少ないので、同じ1、2時間あればひとつひとつをじっくり見て説明を聞けます。想定していなかった商品にも出会うこともメリットです。
「ISETANDOOR」で人気商品になった藤田観光りんご園さんの「アップルパイ」などは、最初から考えていたのではなく、試食させて頂いて、同席したアシスタントバイヤーが「やってみたいです」と言ったことがきっかけで取引させて頂くようになりました。
バイヤーズキッチンでは実際にメーカーさんと会うわけではないので、問い合わせの回答が若干遅いというデメリットはあります。でも、日庄のスタッフが、例えば藤田観光りんご園さんの場合、どれくらいの種類のりんごを栽培しているとか、地元の主婦たちが製造している、自治体の支援もあり工場の設備もしっかりしている、と熱心に説明してくれました。そこで「だったら一度、お会いして話をしてみたい」と思い、アシスタントバイヤーと共に現地まで出向いて、確認しました。

出展したバイヤーズキッチンの藤田観光りんご園ブースの展示スペース。スタッフが展示・POP作成まですべて行う
「ISETAN DOOR」で取り扱いとなった藤田観光りんご園様の出展ブース

──バイヤーズキッチンではどういったところをポイントにしているのですか?
ECサイトなので、画面を通じて商品の特徴が伝えられるかどうか、そこには見た目の華やかさも含みます。実際に食してみれば、美味しい商品というのはたくさんあるでしょうが、残念ながら人によって「求めている」商品の基準はもちろん異なります。正直、百貨店の店頭で扱っているアイテムというのは、ライバルも多く、「お客様がそんな商品が欲しかったと思うこと」はそれほど多くありません。「そんなアイテムがあるとは思わなかった」と思えるようなアイテムに出会えたら、その商談会は大成功ですね。
また、パッケージがお客様に届けるのに適しているか、ということもチェック項目です。パッケージ映えることも大切ですが、発送の都合も考えるということです。

──最後に地方のメーカーに期待することはなんでしょうか?
よく、「地元のこのお肉を使っています」とかアピールされるメーカーは多いのですが、お客様はそこにはこだわっていないことも多いです。~もちろん、地元の食材に自信とプライドを持って頂くのは良いのですが~、正直、似たような食材は日本中にいくらでもあるというのも事実です。
それより、「このお肉はこんな特徴があるから、今までにないこんな使い方ができるアイテムを考えてみました」となると取り上げたくなります。
お願いとしては、どの販路(商流)でお客さまに届けるかを考えることです。百貨店、スーパー、専門店、外食、通販、宅配、ECサイト、ギフト、最近ならふるさと納税など様々なルートがありますが、それぞれで求められる性質や条件が異なります。「いいな」と思う商品があっても、異なるルートを意識した条件だと残念に思うことがあります。
味や素材、製法へのこだわりと同じくらい、お客さまにどのような形(販路・商流)で届けるかを考えてもらいたいと感じることが多いですね。

──貴重なお時間いただきまして、ありがとうございました。


【事務局からのコメント】
中島様とは以前より、お付き合いがあり他商談会などにもご参加いただいておりました。実際の業務内容を深くお聞きしたことがありませんでしたので、私たちも業務内容をより理解することが出来ました。
そして、バイヤーズキッチンに対しても率直なご意見をお聞きすることができました。メーカー様がいらっしゃらない分、商品の魅力、流通に関しての条件などは丁寧にヒアリングするよう心がけております。バイヤー様とメーカー様の出会いの場として発展していけるよう、スタッフ一同日々精進してまいります。

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インタビュー

これまでバイヤーズキッチンにご参加いただいたみなさまに、率直な感想やウラ話など、赤裸々に語っていただきました。運営事務局としても今後の参考になるお話ばかり。ぜひ、参加者の生の声をお聞きください。