贈った時・贈られた時の感動を味わえるような商材を探していきたい。
バイヤーインタビュー 株式会社オンザフーズ 川上 哲也様
ギフトカタログや自社ECサイトに掲載する商品を扱われている株式会社オンザフーズの代表取締役「川上哲也さん」。
バイヤーズキッチン立ち上げ時から試食展示会・オンライン商談会に何度もご参加されており、採用に至った商品も複数あります。
昨年から続くコロナ禍の影響もあり、業界全体にさまざまな変化を感じているそうです。
地方の食商材に対する川上さんの熱い想いと、変化し始めた状況の中でのバイヤーズキッチンの役割についてお聞きしました。
株式会社オンザフーズについて
──「株式会社オンザフーズ」について教えてください
主にギフトカタログへ掲載する商品を取扱っています。
お中元・お歳暮などのシーズンギフトに適した商品を探し、商談したうえで年2回発行の冊子に掲載しています。それに加えてネット通販についても取り組んでいます。
── 川上さんの普段の業務はどのようなものですか?
私は以前カタログギフトの卸会社に勤めていました。そこから独立し「株式会社オンザフーズ」を設立しました。現在は一人で動いていますので、デスクワークなど可能なものはアウトソーシングをして、私自身は出来るだけ外に出て人と会うようにしています。商談以外に、商品企画もしているので、異業種の人とも会ったりしています。
── 商品を探す際には、何を意識していますか?
その商品のエビデンス(商品情報)。もう一つは、メーカーがその商品を「どこに売りたい」と考えているのか、という部分ですね。あと、現時点の販売先についても見ています。
商談に進んでから重視しているのは、商談相手の人柄もですが、まずは売れる商品かどうかという点。ビジネスですから(笑)。それと、実際に試食やお話しをしてみて私が「この商品を(世間に)知らしめたい」と思うか、という部分ですね。
流通機能については「産直対応」ができるか、という点です。物流倉庫も契約して持っているのですが、多くはメーカー様からお届け先へ商品を送ってもらう産直対応をお願いしています。
── バイヤーズキッチンにいつもご参加いただいていますが、商品を探すという事でどのような点を評価されていますか?
大きな展示会に比べてコンパクトなのが良いです。参加メーカーもおよそ20社ぐらいでしょう?
大きな展示会だと会場に行っても見落としが多いんです。広い会場で多数のメーカーのブースを巡るので、せっかく説明受けてもおざなりになってしまうし、時間が経ってから別の展示会などで、メーカーさんの顔を見ていろいろ思い出すなんてこともあります。
満遍なく見るのは無理です。
バイヤーズキッチンでは商品をじっくり見て選ぶことができます。試食しながら(商品の)バックグラウンドも見ながら。逆に効率的だと思いますよ。
メーカー不在で開催されているという点も、地方のメーカーにとっては負担にならないし良いと思います。(※現在はコロナウィルスの感染状況により試食型イベントが開催されない場合があります)
ギフト市場の変化
── 川上さんが取り扱うギフト商品について教えてください。
「ギフト」というと、以前は蟹や鮭などの海産物が“定番”の商品でした。いわゆる“義理ギフト”的な意味合いが大きかったので、“どこでそのギフトを買うのか”、という部分に価値がありました。極端な話でいうと、お中元・お歳暮を購入した有名百貨店が使う包装紙自体にも、贈る側と貰う側の双方にとって意味があるものでした。
しかし近年はその様相が変化してきています。
ギフト商品の「お取り寄せ」的な傾向が強くなり、“多様化”してきています。「自分が食べておいしかったから、食べたいから」という理由で選ばれる商品の割合が増えてきているんですね。ですから、私としては商品を贈る側の人が「この商品を贈りたい!」と思うような商材を発見しなければならないわけです。
まだまだ私が知らない商材がたくさんあると思うので、贈った時・贈られた時の感動を味わえるような商材を探していかなければなりません。
── ギフト商品の価格設定についてはどのようにお考えですか?
価格と掛け率は安ければ安いほど導入しやすいです(笑)。
ただ大手の食品メーカーは別として、そもそも価格設定(希望小売価格)が安すぎるメーカーが多いです。工場で何万個も造られる工業製品ではないんですから、一つ一つ手作りなどをしているのにもかかわらず、もっと価値があるのに最初から設定が低いんです。
そのため掛け率の問題で卸会社が入る余地が無くなってしまいます。
私としては、その価格の差異が大きい場合は「どうやって売っていくのか」などを含めてメーカーと一緒に考えていきたいと思っています。
また、ネット通販の販売ルートを使っているメーカーの商品が、Webサイト上でかなり安く売られているのを目にします。恐らく管理出来ていないのかも知れませんが、一度安くしてしまうとそれ以上の価格に戻せなくなります。
そういった意味でも価格の交通整理は非常に重要です。
価格設定は永遠のテーマだと思います。
コロナ禍での商談方法は「オンライン商談」を活用
── 現在、直接商談をすることが難しくなっていると思いますが、どのように対応していますか?
以前はメーカーの会社に訪問したり直接産地に行ったりしていましたが、コロナ感染症の拡大のために、現在は行けません。「来ないでください」と言われることもありますし、行かないようにしています。
現在は、特に新規メーカーとの商談については、オンラインで行っています。
今ではメールや電話はもちろん、オンライン商談でもいくらでもできますからね。
── オンライン商談についてはどのように考えていますか?
オンライン商談はもともと苦手でしたが、良い点もあると思っています。電話よりもお互い緊張感があって「身構える」というのが良いですね。
商談には、おおよそ決まった暗黙の流れみたいなものがあります。そこはオンライン商談でも変わらないので、商談時間が限られる場合は、それに沿った資料を用意しておくと良いかもしれませんね。
業界的にはこのコロナ禍の状況が終わっても、これからはリモートを使うという流れになってくると思います。
── バイヤーズキッチンのオンライン商談についてはいかがですか?
特に、今のコロナ禍の状況に非常にマッチしていると思います。
オンライン商談時にスタッフの方が進行役として入っているので、安心ですし、商談が締まった感じがして良いと思います。
「地場」「健康」をテーマとした商品探し
── 今後株式会社オンザフーズはどのような活動を考えられていますか?
ギフトは「肉」「肉加工品」「スイーツ」がメインです。
私としては、これからは「和スイーツ」のラインナップを作っていきたいですね。
あと「機能性の食品」。地方の物を使いながら体に良いという印象を受ける物。
また「ママ」「子供」「高齢者」などに色分けした商品を探していきたいと思っています。
いずれにしてもこれからは“健康”(というキーワード)は必須だと思います。
今現在の状況は「安くて、おいしくて、大量に」というテーマから、「地場のものを」「健康に」という方向に、ネットなどを使ってシフトしていくチャンスだと捉えています。
── 最後に
先日参加したバイヤーズキッチンのオンライン商談で出会えた商品のうち、漬物がすごく美味しかったんです。栽培・収穫・漬物造りまでもとても良いんです。しかし“見た目”は普通なんです。価値が伝わらない。
その価値とストーリーを伝える「ことば」「見せ方」というものを考えていくのも、重要なテーマとして考えています。
──貴重なお時間いただきまして、ありがとうございました。
【事務局からのコメント】
長時間にわたりお話をしていただいた川上様。穏やかな雰囲気をお持ちですが、内に秘める地方の食品に対する熱い思いを感じることのできたインタビューでした。
私共も川上様のような強い信念をお持ちのバイヤー様に、より良い商品をご紹介できるように努めて参りたいと改めて思わせていただきました。
そして、インタビュー中にもありましたがオンライン商談の際に用意する「資料作成」の重要性を弊社も痛感しております。オンライン商談では言葉では伝えきれない部分が多くございます。資料作成でお悩みの方は是非、1度ご相談下さい。
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