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安心を届けよう!地方食品メーカーが知っておきたい食品表示の最新トピック【2025年秋】

実践商談ノウハウ

安心を届けよう!地方食品メーカーが知っておきたい食品表示の最新トピック【2025年秋】

こだわりの商品づくりに取り組む地方食品メーカーにとって、食品表示は商品を安心して届けるための大切な要素です。しかし、食品表示制度は消費者のニーズや社会の変化に合わせて、たびたび改正されています。最新情報を押さえ、思わぬトラブルや信頼低下を防ぎましょう。
 
今回は、地方食品メーカーが押さえておきたい2025年9月時点[1] の食品表示の最新トピックを紹介します。あわせて、とくに注意が必要な原材料に関する表示のポイントについても解説するので、自社商品のラベルを今一度見直してみましょう。
FOOONでは記事の投稿日が表示されないようなので、この記事の内容はいつ時点の情報かわかるように記載いたしました。



押さえておきたい食品表示の重要トピック


食品表示のルールは、これまで見直しが繰り返されています。なかでもアレルゲン表示や原産地表示、栄養成分表示などは、小規模メーカーにとっても無視できない重要な項目です。ここでは、食品表示に関する最新トピックを紹介します。


特定原材料に「くるみ」が追加

2023年3月には特定原材料に「くるみ」が追加され、2024年3月に特定原材料に準ずるものとして「マカダミアナッツ」が新たに加わり、「まつたけ」が削除されました。

 くるみについては、ラベルの切り替えなどを行う経過措置期間が2025年3月で終了しました。マカダミアナッツとまつたけに関しては、推奨表示であるため経過措置期間は設けられていませんが、事業者にはできる限り速やかな対応が求められています。

 なお、消費者庁は2025年度中に「カシューナッツ」を特定原材料に準ずるものから特定原材料へ移行し、「ピスタチオ」を特定原材料に準ずるものへ追加する方針を示しています。食品メーカーは自社商品にカシューナッツやピスタチオが含まれているかを確認し、すばやく対応できるよう準備を整えておきましょう。


参考::消費者庁「食物アレルギー表示に関する情報」 



栄養素等表示基準値が改正

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」の公表を受けて、2025年3月に栄養素等表示基準値が改正されました。

栄養素等表示基準値は、日本人の1日に必要な栄養素量の平均値といえるものです。この数値自体に表示義務はありません。しかし今回の改正に伴い、特定の栄養素について「多い」「少ない」などと表示する際の基準値(栄養強調表示の基準値)も見直されています。

自社商品に含まれる栄養素量について「栄養素等表示基準値に占める割合◯%」といった表示をしている企業もあるでしょう。経過措置期間は2028年3月31日までとされています。栄養素等表示基準値を利用した表示を行っているメーカーは、自社商品の表示が基準値に適合しているか確認が必要です。

 

参考:食品表示基準 別表第10、12




栄養強化目的の食品添加物の表示が義務化

2025年3月に、栄養強化の目的で使用している食品添加物について表示が義務化されました。

 これまでは一部の食品を除き、加工助剤とキャリーオーバー、そして栄養強化の目的で使用する添加物は表示が免除されていました。しかし今後は、栄養強化の目的で使用する添加物については表示が求められます。

 経過措置期間は2028年3月31日までと定められています。商品規格書や現行表示などを確認し、栄養強化の目的で使用される添加物を表示していなかった場合は、すみやかに修正を進めましょう。

 

参考サイト:消費者庁「これまでの食品表示基準の改正概要について」



「食品期限表示の設定のためのガイドライン」が改正

厚生労働省と農林水産省が策定した「食品期限表示の設定のためのガイドライン」が、2025年3月に改正されました。今回の改正は、食品ロス削減などに関する近年の動向に配慮したものです。

 

改正のポイントは、次の通りです。

●     消費期限と賞味期限の設定は、食品の特性を十分に考慮し、科学的なデータに基づく客観的な指標と基準を用いて行う

●     食品の特性に応じて安全係数は1に近づけること、差し引く時間や日数は0に近づけることが望ましい

 

さらにガイドラインには、消費者などから求められた際に、まだ食べられる期限の目安について可能な範囲で情報提供に努めることも記載されています。期限設定の見直しは廃棄物の処理費用や保管コストの削減、在庫管理の効率化などにもつながります。この機会に期限設定を見直してみましょう。

 

参考:消費者庁「食品期限表示の設定のためのガイドライン」



地方食品メーカーが注意したい食品表示のポイント

商品に特色を持たせるため、原材料にこだわっている地方食品メーカーは少なくありません。ただし、こだわりをアピールする際は表示方法に注意が必要です。ここでは、とくに注意したいポイントを2つに絞って解説します。


「特色のある原材料」は使用割合を表記する

「〇〇県産△△」といった特色のある原材料をパッケージに表示する際、使用割合が100%の場合を除き、原材料全体に占める割合を表示する必要があります。

 

たとえば、国産大豆を100%使用している場合は「国産大豆使用」という表示で問題ありません。しかし、国産大豆を原材料の50%しか使用していない場合は、「国産大豆50%使用」といった形で割合を明記しなければなりません。

 

特色のある原材料は、次のような幅広い食品が該当します。

●     特定の原産地(例:国産大豆使用、三陸産わかめ使用)

●     有機農産物・有機畜産物・有機加工食品

●     非遺伝子組み換えの食品

●     特定の製造地(例:北海道で製造されたバターを使用)

●     特別な栽培方法で生産された農産物(例:栽培期間中農薬不使用のにんじん)

●     品種名など(例:コシヒカリ使用)

●     銘柄名、ブランド名、商品名(例:宇治茶使用、越前がに入り)

 

割合の表示はパッケージの表面だけでなく、原材料表示欄に「うるち米(コシヒカリ50%)」のように記載する方法でもかまいません。表示を適切に活用し、商品の魅力をアピールしましょう。

 

参考:消費者庁「早わかり食品表示ガイド(令和7年4月版・事業者向け)」

「何が」無添加であるかを示す

食品のパッケージに「無添加」と表示する際は、何が無添加であるかを具体的に示す必要があります。

 

近年は、「無添加」や「添加物不使用」といった表示を見て商品を選ぶ消費者が増えています。しかし、単に「無添加」と記載されているだけでは、消費者は何を添加していないのかわかりません。そのため、消費者が誤認しないよう、「着色料無添加」「保存料不使用」などと詳しく表示することが定められています。

 ガイドラインでは、注意すべき食品添加物の不使用表示について10の類型に分けて説明しています。なお、食品添加物を使用していない場合であっても、原材料表示の食品添加物欄に「なし」と記載することは認められていません。

 「無添加」や「添加物不使用」という表示は、商品の大きなアピールポイントになります。だからこそ、消費者に誤認を与える表示になっていないことを、今一度確認しておきましょう。

 

参考:消費者庁「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」


食品表示の正しい理解は、信頼される商品づくりの基本

正しい食品表示は、商品の価値を適切に消費者に届け、信頼を得るための大切な基盤です。安心して選べる商品であることは、取引先との関係強化や販路の拡大にもつながります。日々情報の収集に努め、最新のルールに沿った表示を心がけることで、信頼を積み重ねていきましょう。

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