実践商談ノウハウ
商品自体には自信があるけれど、なかなか売り上げが伸び悩んでいる……。原因は様々考えられますが、もしかするとそれってパッケージのせいかもしれません。なかなかパッケージに力を入れてこられなかったメーカーさんにこそ読んでいただきたい、「売れるパッケージの条件」を解説いたします。
食品パッケージデザインは、単に見た目を整えるためのものではありません。売り場で商品の魅力を伝え、消費者に手に取ってもらい、バイヤーにも「売り場で展開しやすい」と感じてもらうための重要な要素です。いわば食品パッケージは、売り場で商品の魅力を伝える営業担当のような存在です。
パッケージの役割は、ずばり
『消費者へ商品を手に取りたい、買いたいと思わせること』
です。
競合商品がひしめく売り場で、他のどの商品よりも早く消費者の目に留まり、商品の特性を一目で理解してもらい、買いたいと思ってもらうためには、素敵!新しい!目立つ!おいしそう!他にはない!面白い!というような、消費者が欲しくなる感情をくすぐるデザインである必要があります。
パッケージとはその名の通り商品を包んでいるものです。商品本体は見えないことの方が多く、どんなサイズなのか、どんな色、においなのかも消費者はわかりません。もちろん買う前に味わうこともできません。
それらすべてをキャッチコピーやグラフィック、テキスト、イラスト、 写真に落とし込んでパッケージにまとめ上げることで、消費者にアピールすることが可能になります。
中身の良さももちろん重要ですが、パッケージのアピールが不足しているとそもそも消費者から選んでもらうのは非常に困難になってしまいます。パッケージデザインによって売れるか売れないかが決まると言っても過言ではないため、商品開発の上では最も重要なポイントといえます。
食品パッケージデザインを考える前に、まず「誰に、どこで、どのように買ってもらう商品なのか」を整理しましょう。見た目だけを先に作ると、売り場やターゲットと合わないパッケージになりやすいためです。
最初に決めたいのは、ターゲット、利用シーン、価格帯、売り場です。日常的に家庭で使う商品なのか、ギフトとして選ばれる商品なのか、観光土産なのか、業務用なのかによって、必要な見せ方は変わります。スーパー、百貨店、道の駅、観光地、ECなど、想定する売り場によっても、文字の大きさ、写真の見せ方、容量、包材、価格感は変わります。
たとえばインバウンド向けのお土産食品であれば、持ち帰りやすさや多言語表記も重要になります。関連する考え方は、「インバウンド向けおみやげグルメ開発のヒント」の記事も参考になります。
では、売れるパッケージにするためにクリアしなくてはならない条件について考えてみましょう。
これらは今まさに売れている・すぐれた商品に共通する3つの条件です。ひとつずつしっかりクリアしていけば、競合に負けない強い商品になります。
それぞれの条件について詳しく解説します。
コンセプトとはずばり『何を基準にものづくりをするのか』を決めることばです。
もっと端的にいうと、ルールです。
商品開発は時にたくさんの人が関わることがあります。複数の人で開発する過程では、ひとつの考え方でみんなの思考を束ねておかないとどこからか綻びができてブレてしまいます。
そんなときににコンセプトというルールがあれば全員が共通認識を持って開発を進めることができます。 当然、商品開発の最終段階であるパッケージにも、その商品コンセプトに沿ったデザインイメージを持たせることが重要となるでしょう。
消費者がほしい!と思うような素敵なデザインなら一層売れる確率は高まります。「手に取りたい」「買いたい」と思わせるコミュニケーションを実現できるかが重要です。
競合が数多くある売り場で、他のどの商品よりも速く消費者の目に留まり商品の特性を一目で理解してもらい、買いたいと思わせられるか。それはパッケージが魅力的であることで解決することができます。
基本的なものですが、これらを見直すだけでも魅力のあるパッケージに近づけることが可能です。それ以外にも、ロゴデザイン開発やコピー開発、また包材選びやカタチにもこだわってみてください 。自社で行うことが難しい場合は、補助金などを活用し、外部デザイナーに発注することも検討しましょう。
ギフト対応を狙う場合は、箱や包装の質感、手渡ししやすいサイズ、価格帯、季節感も重要です。地域性は、商品の特徴を補強する要素として使い、売り場で中身が伝わるパッケージに整えることが大切です。
食品パッケージデザインを見直すときは、次の観点で確認すると整理しやすくなります。
特に食品は、購入前に中身を確認しづらい商品です。写真、イラスト、キャッチコピー、表示情報を通じて、味や利用シーンを具体的にイメージしてもらうことが大切です。
売り場で選ばれている商品は他と並んでも抜きん出た個性があることが多いです。
商品によってさまざまですが、大手メーカーの場合と地方メーカーでは大きく個性の方向性が異なります。大手メーカーの場合、地方メーカーと大きく違う点としては「話題性」「季節」を巧みに商品コンセプトに取り入れ、流行に乗った商品がバズることが多いです。大手ならではの流通網と大ロット生産、さらに大規模な広告展開などによりブームを作ることもしばしば。それが消費者にとって魅力に映ります。
一方、地方メーカーの場合はひとつのジャンルの素材を丁寧に扱って、専門性の高い商品を生み出せる強みがあります。こだわりや想い、製造プロセス上の特徴等を個性にしてアピールできている商品は消費者には目新しく映り、手に取ってもらいやすいです。
地域メーカーは自社のストーリーや商品へのこだわりがとても魅力的な「唯一無二」なので、そこをうまくパッケージに落とし込めると売り場での見え方に差がつきます。競合商品とは違った切り口で魅力が伝えられるといいですね。
パッケージを見直したら、バイヤーに説明できる資料も整えておきましょう。単に「デザインを変えました」と伝えるのではなく、ターゲット、売り場、利用シーン、競合との差別化、販促のしやすさを説明できるようにすることが大切です。
商談資料には、パッケージ正面、裏面、陳列イメージ、POP案、ギフト展開、価格帯、内容量、賞味期限、温度帯などを入れると、バイヤーが導入後の売り場を想像しやすくなります。商品提案書に入れるべき情報は、「食品バイヤーとの商談ではどんな情報が必要!?」の記事で詳しく解説しています。
売り場で選ばれる商品にするためにパッケージ開発は不可欠です。
たかがパッケージと思わず、一度上の3つの条件を一つの基準としてお役立ていただき、振り返りの機会や参考にしてもらえたら幸いです。
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