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地方食品メーカーがバイヤーとつながるには?販路開拓の“基本のキ”

実践商談ノウハウ

地方食品メーカーがバイヤーとつながるには?販路開拓の“基本のキ”

既存の取引先だけでは、消費ニーズの多様化や国内需要の構造変化に不安を感じることもあるでしょう。しかし、いざ販路を広げようと思っても、「小さなメーカーは門前払いされるのではないか」と尻込みしてしまう方も少なくありません。 販路拡大で重要な存在となるのがバイヤーですが、接点を持つ方法は意外と多くあります。本記事では、地方の食品メーカーがバイヤーとつながる方法を紹介し、バイヤーとの商談を成功させるために必要な準備について解説します。 ※この記事は8分で読めます

【この記事でわかること】

●     食品メーカーの主な販路

●     バイヤーと出会うための4つのアプローチ方法

●     商談の成功率を高めるために行いたい事前準備


食品メーカーの主な販路は「toC」と「toB」

食品メーカーの販路は、一般消費者を対象としたもの(toC)と企業を相手にしたもの(toB)に大きく分けられます。具体的には、それぞれ次のような場所があります。


消費者向け

●     小売店(スーパー、コンビニ、百貨店など)

●     EC(ECモール、自社オンラインショップなど)

●     直売(自社店舗、イベント・催事販売、道の駅など)

 

企業向け

●     外食産業(飲食店、宿泊施設など)

●     中食・給食事業者(弁当店、惣菜店、給食センターなど)

●     卸売業者

●     食品メーカー(原料供給、OEMなど)

 

一般消費者向けに販売する場合、商品の味や価格、パッケージ、ブランドなどが購入の主な判断材料となります。一方で、企業を対象とすると、価格や品質に加え、供給の安定性も重視されるのが特徴です。さらに、自社商品を販売するだけでなく、OEMとして他社商品の製造を請け負うことも販路のひとつといえます。



バイヤーと出会うためには

自社店舗やオンラインショップで販売する方法もありますが、さらに販路を拡大するなら、小売店や卸売業者などのバイヤーとつながるのが効果的です。

 

バイヤーとは、自社で扱う商品を選定し、仕入れる担当者のことです。バイヤーを通じて商品を展開することで、自社だけでは難しい売り場への進出が可能になり、より多くのお客様にアプローチできる可能性があります。また、まとまった量の継続的な発注が期待できる点も大きなメリットです。

 

バイヤーと出会う主な方法には、以下のようなものがあります。

 

●     展示会に参加する

●     公的支援を活用する

●     マッチングサイトを利用する

●     自社で営業する

 

効率的に販路を拡大するためには、展示会に出展しながら自治体の商談会に参加するなど、これらの方法を組み合わせるのがポイントです。ここからは、それぞれの具体的な内容について解説します。


展示会に参加する

展示会とは、多くの食品メーカーがブースを構え、来場者に商品を紹介するイベントです。会場には、小売店や外食企業、卸売業者などのバイヤーが数多く訪れます。出展者は説明や試食を通じて興味を持ったバイヤーと接点を持ち、商談につなげます。

 展示会は、一度に多くのバイヤーと出会える点が大きなメリットです。一方で、ブースを設営したり、カタログや展示する商品を用意したりと、出展準備に費用や手間がかかる側面もあります。


公的支援を活用する

自治体や地元の商工会・商工会議所では、地域企業の活動を支援するため、商談会の開催や補助金の提供を行っています。

 商談会では主催者がメーカーとバイヤーを事前にマッチングし、個別に話し合う場が設けられます。なかでも自治体や商工会、商工会議所が主催する商談会は、地域事業者の販路拡大が目的であり、商談の準備をサポートしてもらえることも。自社商品に興味を持つバイヤーと商談できるため、成約に結びつきやすいのも特徴です。

 また、販路開拓にかかる費用を補助する制度を設けている自治体もあります。Webサイトやカタログの制作費や、展示会への出展料などに活用でき、コストの負担を軽減できます。


マッチングサイトを利用する

食品メーカーとバイヤーを仲介するマッチングサイトを活用する方法もあります。これは、食品メーカーが商品情報や会社概要を登録し、バイヤーがそれを見て興味を持つと、問い合わせや商談につながる仕組みです。

 オンラインで完結するため、展示会や商談会のように会場へ行かなくてもバイヤーと接点を持てることが利点です。一方で、多くの企業が登録していることから、サイトに掲載するだけでは商談につながらない場合もあります。バイヤーに商品の特徴や強みを理解してもらうため、情報を分かりやすく伝える工夫が必要です。


自社で営業する

自社営業は、メーカーが小売店や卸売業者、外食企業などに直接アプローチして取引先を開拓する方法です。具体的には、店舗への訪問や電話、メールによる提案のほか、商品サンプルを送付したり、SNSを活用して働きかけたりするケースもあります。また、既存の取引先へ新商品を提案する「ルート営業」も重要な営業活動のひとつです。

 狙った企業に直接提案できるのが強みですが、バイヤーとつながるまでに時間や労力を要する場合もあります。


バイヤーとの商談前に準備すべきこと

バイヤーとの商談を成功させるためには、事前の準備が欠かせません。限られた時間のなかで自社商品の魅力や取引条件を分かりやすく伝えられるよう、入念に準備しておきましょう。


商談相手の情報を調べる

商談の成功率を高めるためには、事前に商談相手の情報を把握しておくことが重要です。まずは会社概要や事業規模、主な取引先などの基本情報を確認します。あわせて、その企業が現在どのような商品を取り扱っているのかも調べておきましょう。

 

過去に取引がある場合は、取引条件や販売実績、課題となった点なども確認しておくと役立ちます。さらに、競合商品や市場動向を把握することで、自社商品の優位性を整理しやすくなります。


商談の目的とゴールを明確にする

商談を実りあるものにするために、目的とゴールを設定しておきましょう。新規取引の開始や試験的な導入の提案など、具体的な目的を定めることが大切です。そのうえで、自社商品の導入が相手にとってどのような利益をもたらすかを考えます。価格や品質、供給体制など、自社の強みを整理しておくことで提案の説得力が高まります。

 

あわせて、商談の着地点も想定しておきましょう。目標とする条件だけでなく、最低ラインや譲歩できる範囲を決めておくと、現場での判断がスムーズになります。


商談資料を準備する

商談に向けて次のような資料を用意しておきましょう。

 

●     企業紹介資料

●     商品カタログやパンフレット

●     価格表や見積書

●     プレゼンテーション資料

 

加えて、試食サンプルがあると商品の魅力をより伝えやすくなります。ただし、十分な数量を用意する、小分けにしておく、温度管理に注意するなどの配慮が必要です。

また「FCP展示会・商談会シート」を用意するのもおすすめです。商品情報が統一フォーマットでまとめられているため、バイヤーが比較検討しやすく、一度作成しておくと商談のたびに活用できる資料になります。

参考:農林水産省「FCP展示会・商談会シート」


商談の進め方をシミュレーションする

商談は、一般的に次のような流れで進みます。

 

  1. 挨拶:名刺交換、自己紹介
  2. 導入:相手のニーズや困りごとのヒアリング
  3. 提案:商品紹介、試食提供
  4. クロージング:導入の意思や今後のアクションの確認

 あらかじめ流れを想定しておくと、商談をスムーズに進められます。あわせて、想定される質問や反論への回答も準備しておきましょう。同行者がいる場合は役割分担を決め、事前にロールプレイングを行うことで、限られた時間でも効果的な提案が可能になります。


待っているだけでは届かない。バイヤーとの接点づくりから始めよう

自社商品を多くのお客様へ届けるためには、その魅力を戦略的にバイヤーへ伝える努力が欠かせません。販路開拓には、展示会や公的支援、マッチングサイトの活用など、自社の規模や状況に合わせた多様な選択肢があります。

 まずは、地元の商工会議所に相談したり、マッチングサイトをチェックしたりと、情報収集からはじめてみませんか。自慢の商品を全国の食卓へ届けるために、バイヤーとの接点づくりから動き出してみましょう。

 参考:日本政策金融公庫「商談会ガイドブック」

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