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想いのバトン

【前編】老舗お茶屋さんを支えた、お茶よりアツイ『茶ムライ魂』

メーカーインタビュー
京都 舞妓の茶本舗 中坊敏也様
先日フランス・パリにて行われた「Japanese Tea Selection Paris」にて、「屋敷の茶」が玉露部門で世界一のグランプリを獲得した、世界でも活躍中の老舗お茶店の京都 舞妓の茶本舗さん。国内だけでなく、グローバルにお茶の販売や魅力発信を行っています。
そんな舞妓の茶本舗で営業として活動されているのは、サムライならぬ茶ムライ(チャムライ)でした。
今回は、茶ムライこと中坊敏也さんに越境ECについてや海外での活躍についてお聞きしました。
偶然の出会いから4ヶ国語対応の越境ECへと成長。


―まずは、舞妓の茶本舗さんの概要について教えてください。

舞妓の茶本舗は、京都府南部の京田辺市にあるんですが、京田辺は玉露の町として有名なんです。
玉露で世界一を受賞するなど、本当に良いお茶ができるところです。舞妓の茶本舗では、この京田辺玉露を中心に良質な日本茶の販売をしています。
最近は、お茶を使ったお菓子にも力を入れてまして、関西国際空港や京都のお土産店などで、とても人気です。社員18名と、小さい会社なので人と人とのご縁をすごく大事にしていて、お取引先の会社さんや周りの人とも、一緒に売っていこう・広めていこうという思いで取り組んでいます。
ECサイトでは4カ国語(日本語、英語、ドイツ語、中国語)対応でお茶、お菓子、茶器などを販売しています。




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お土産として大人気の抹茶ぼーるちょこ

―越境ECはいつから始められたのですか?

2005年から始めたんですけど、当時は越境ECなんてどこもやっていない時代だったんです。
そもそも越境ECという言葉すらありませんでした (笑)
ある日社長(現・会長)から、いきなり呼び出され、インターネットは環境があれば海外からの注文を受け付けられるんだから、それをしたらどうだと提案があり、「お金どうやってもらう?」「質問があったらどうやって答える?」(英語を話すスタッフが当時はいなかった)など様々な課題が山積みだったので、すぐにどうやって断ろうかと考えました。笑


―16年前から始められたのですね。その後はどうスタートしたのですか?

どうしようと困っていたら、たまたま日本在住のドイツ人・ファーバーさんというお客さんが訪れて、その方は当時eBay(※注1)で日本の品を販売していたんです。
その顧客から日本茶のリクエストがあったということで、いつの間にか一緒にやることになりました。
最初はファーバーさんがお茶を買いに来てくれて、自分で梱包し、郵便局に持って行っていたのですが、注文が多くなってきて、ファーバーさん一人では追いつかなくなってきて、注文はファーバーさん、梱包は舞妓の茶本舗と分業するようになりました。
その後、うちのECサイトの方もファーバーさんが英訳をしてくださって、販売を開始しました。
最初はそんなに注文が多くなかったのですが、徐々に増えてくるようになりました。
※注1 eBayは、世界最大級の越境ECマーケットプレイス。 2020年の調査によるとアメリカ国内のEC売り上げトップ10のうち、eBayのシェアAmazon、Walmartに次ぐ3位。


―ちょうどいいタイミングというか、まさに運命の出会いですね。

私も、会長の要望にどう応えようかと悩んでいましたし、ファーバーさんとのご縁のおかげで、世界中に美味しい日本茶が広まるきっかけになったので、まさに運命の出会いですね。
その後、いろいろなご縁で、ドイツ人や中国人にも翻訳していただき、今は4ヶ国語対応のホームページになりました。


―ECサイトでは、どんな商品が人気ですか?

抹茶が海外では一番人気ですね。
最初に海外向けに販売を始めた際、簡単なティーバッグが売れると思っていたのですが、こだわりの日本茶をお探しの方が多かったのか?、日本で売れる価格帯の1.5倍くらいの価格の商品を購入される方が多いです。
抹茶は日本の文化のひとつでもあるし、「健康」というところも、広く周知され、時代にも会ったのかなと思っています。
抹茶も昔はGreen Teaでしたが、今は「Matcha」という言葉が世界中で定着していますね。


―リピーターの方は多いですか?

多いです!
顔は分からないのですが、このメールアドレス見たことあるというお客様が多く、今や世界60ヶ国の方よりご注文いただいています。




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屋敷の茶

国境を超えてお茶の魅力を伝え、広げる。茶ムライ爆誕!


―次は、中坊さんについて聞かせてください。茶ムライとして活動し始めたのはいつからですか?

もともとは、展示会や販売の仕事もさせてもらっていたのですが、お茶屋さんも全国に数多くあるし、その中でハッピを着て、営業や販売をしていても目立たないかなと思い、10年前まではお茶摘み衣装を着てみたら、結構お客さんに面白がっていただいて。
やっぱり目立つことは大事だなと思うようになったんです。
ただ、茶摘み衣装は女性用で、よく茶摘み娘とか言われるんですが、私は男なので「茶摘みおじさん」と言われてました。(笑)


―茶摘みおじさんってすごく親しみがあっていいですね。

でも茶摘みおじさんは親しみがあって良かったんですが、しっかりした良いものを売っているのにギャップがあるな~と思っていたんです。
そんな中、海外で販売の機会があったときに、着物・袴を着てみたら、お客さんから「Samurai」と言われるようになって、普通はサムライだと刀だと思うんですが、僕の場合は茶筅を持っていたので、「茶ムライ」で行こうと、キャラを変更しました(笑)


―茶ムライの評判はどうでしたか?

この格好なので、たくさんの方に覚えてもらえて、地元の方にも「茶ムライ、がんばってるな!」とお声がけしてもらったりします。
最近だとZoomなどのオンライン商談のときも、着物・袴を着て、しっかり足袋まで履いて(笑)、時には場を和ますために、「ちょんまげ」や「イチゴの被り物」も用意しています。(笑)


―場が明るくなる、楽しい商談ですね。 

はい。あとお茶に関するお茶言葉も好評です。
Thank you very Matcha、See you 冷茶(Later)、玉露う様です、感謝感茶申し上げます。お疲れ茶まです。などなどお茶に関することなら何でもあります!
このような言葉から、この人おもしろい人やなぁと、楽しんでもらい、人となりを知ってもらいたいので、そんなお茶言葉も、時と場合によって使っています。


―日本茶のセミナーもよく実施されていますよね。セミナーでも袴を着られるのでしょうか?

はい。私自身、日本茶インストラクターの資格を持っていて、日本茶セミナーを開催しています。
これも茶ムライスタイルでさせていただくと、みなさん喜んでいただけるんです。
日本茶のことを楽しみながら知ってもらえたらとの思いで、まずは日本茶のファンつくりが大事かなぁと思っています。




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楽しそうな日本茶セミナーの様子

―セミナーは海外でもされるのですか?

はい。わたし、2ヶ国語しかしゃべれないんです。日本語と、関西弁。(笑)
なので、英語や中国語で喋らないと通じないときは、通訳の方にお願いしています。
でもおもしろくて、通訳の方と仲良くなって、そこからご縁が広がることもあるんです。
2016年9月にマレーシアで、茶ムライさん、抹茶体験を行いました。そこでたくさんの方に、抹茶を点ててもらったり、抹茶アート体験を10日ほどやったんです。そのイベントのMCをやってくれたアランさんが、日本茶をマレーシアでも売りたいって言ってくれて、その後、アランさんも自分なりに日本茶について勉強をしてくれるようになりました。


―お弟子さんみたいな感じですね!

はい。ほんとそうですね。今はSNSもあるので、いつでも連絡ができます。
アランさんも日本に来て、茶畑を見に行ったり、日本茶の勉強をしたり、日本の文化を学ぼうとしています。
今の彼のミッションは、マレーシアで日本茶カフェを開くことです。
マレーシアもコロナの問題は大きく、なかなかたいへんなのですが、この夏に「Chabashira cafe」という名前のお店がオープンする予定です。もちろん、舞妓の茶本舗のお茶を使用してくれます!
うれしいことに、アランさんの会社の名前が、なんと「Chamurai」という名前です。
小さなイベントのご縁から、このようにカフェができること、海外ではいろいろと苦労が多いのですが、このように、カタチができること、ありがたい限りです。
弟子というよりも、お茶でつながった、マレーシアにいる仲間だと思っています。

後半へと続く・・・

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【事務局スタッフのコメント】

前編では、茶ムライこと中坊さんが世界各国の仲間たちに支えられ海外展開を行った話をお聞かせただきました。後編は、中坊さんの人となりや、海外での活動が制限された現在の活動についてインタビューしましたので是非ご一読ください。(スタッフ:服部)

 

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