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想いのバトン

【後編】老舗お茶屋さんを支えた、お茶よりアツイ『茶ムライ魂』

メーカーインタビュー
京都 舞妓の茶本舗 中坊敏也様

コロナで原点回帰も。Human To Humanの精神で地域を支える存在に。


―中坊さんについて教えて下さい。

もともとは、舞妓の茶本舗ではなく京都府茶協同組合で働いていました。
京都のお茶屋さん150社ほどが加盟しているお茶の組合から、ご縁があって舞妓の茶本舗に入社しました。
舞妓の茶本舗では、地元の京田辺玉露を中心に、煎茶、抹茶などなど、良質な日本茶を販売している会社です。
昔ながらの製法や味にこだわりを持ち、ブレンド技術を大切にしているところが面白いなと思いました。


―お茶のクオリティだけではなく、ブレンド技術も大事なのですね。

特に「しあわせ茶」は、舞妓の茶本舗オリジナルのお茶で、抹茶+玄米+かりがね(茎茶)+昆布のブレンドのお茶です。お中元やお歳暮需要が下がっている中で、お年賀需要を期待して、お正月向けに新しい独自のお茶を作ろうと、社長が試行錯誤の中で、お茶に昆布を浮かべたら美味しかったということで商品開発に至りました。
お正月だけ販売するつもりでしたが、あまりにも地元の方から好評でしたので通年販売することになりました。飲んでもらうと、ほっとしあわせな気分になってもらえるお茶です。
これは、あまり意図してなかったんですが、お客さんからは4種類入っているからしあわせ(4合わせ)なのかとは聞かれます。(笑)


―入社(2003年)当時は、どんな仕事をされていたんですか?

入社したときは、社内にパソコンを触れる人間があまりいなかったので、WEBサイトを作ったり、日本茶セミナーをやったりっていう感じで、いろいろなことさせてもらっていました。
そのようなときに、ファーバーさんとのご縁も会って、海外サイトを作ったりしました。時期は飛び込み営業などもしたことがあったのですが、ここ最近は、お客様との接点やご縁を大切にすることを、心がけています。
そんなときに、地元の道の駅の担当者から、
「お米を売る良い方法ないかなぁ?」「お茶を売る良い方法ないかなぁ?」
とお互いの仕事の相談をしている中で、自社の商品のことだけでなく、地域のことを考えていると、京都府さんや、京田辺市さんなどの行政も巻き込んで、「京田辺農福観地域づくり協議会」という団体ができて、私は、なぜか?相談役として関わっています。
協議会の仕事の中で、マルシェの運営も関わっているのですが、2019年5月に最初に行ったマルシェは、弊社含め5店舗だけの参加だったのですが、たくさんの皆さんのご協力や支えがあって、今年3月に開催したマルシェでは、なんと54店舗の方々に参加してもらえる人気のマルシェになってきました。
このように地元の地域づくりを通して、お茶をアピールするという仕事もなかなか面白いです。
他にも京田辺のお土産品を作ろうと、地元産品の海老芋を使ったスープを開発したり、京田辺まるごと体験ツアーを企画して、地元のことを知ってもらおうと、農業体験、地元の名所に行ったり、お茶のセミナーをしたりと、なかなか地元のことをするのも楽しいんですよね。


―なぜ地域を支える活動を始めたのですか?

舞妓の茶本舗のある京田辺市では、「京田辺農福観地域づくり協議会」に関わらせていただき、お茶屋で働いていると、出会えない方に会うことができて、いろいろつながっていくことって大事だなぁと学びました。
そんな中、2020年コロナになり、外出がたいへんになりました。
私の自宅は、京田辺市の隣の井手町に住んでいるのですが、2019年11月に徒歩圏内で行けるスーパーが閉店して、近隣住民の方が買い物に困っていらっしゃると知ったんです。
そうすると、ご近所の方が、そのスーパーの場所で、毎週土曜日、日用品や野菜などの販売をされるようになったんです。たまたま私も買い物に行ったときに、舞妓の茶も販売しませんか?とお声掛けいただき、コロナでどこも行けなかったので、一度やってみたんです。
田舎町なので、そんなに売れないだろうなぁと思ったら、近所に住む叔母がお客さん連れてきてくれたり、子供がお世話になっていた保育園の園長先生が来てくれたり、お買い物してもらいながら、近所のことをいろいろ知るきっかけになったんです。
それに、販売も茶ムライスタイル(着物+袴)ですると、子供たちは嫌がるかなぁと思っていたんですが、小学校3年生の息子は、おれもいっしょに販売したいと手伝ってくれるようになりました。
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このような販売を、月一度させていただき、半年ほどしたときに、このようなことが地域の活性化につながるのではないかと思うようになりました。
ここ井手町でも、数年先に、道の駅ができると聞いています。そこに向けて、いろいろ取り組みさせていただくことで、舞妓の茶の販売もさせていただきながら、地域活性化につながればと思い、今は仲間を募っているところです。
コロナウイルスで、いろいろたいへんですが、そんな状況のときに、灯台下暗しじゃありませんが、自分の住む地域の大切さに気付かせていただきました。


―活動やお仕事をされるうえで、モットーにしていることはありますか?

今まではBtoBとかBtoCという言葉がある中で、これからの時代は、HtoHだと思うんです。
Human(ヒューマン)からヒューマン。きっと大きな会社の商品だから買いたいという時代から、この人から商品を買いたいという時代がくるのではと思っています。仕事に取り組む姿勢とか、人柄とかを見てというようになると思っています。
茶ムライさんからモノを買いたいと思ってもらえるように、自分磨きもしていきたいなと思っています。
これからも、地道に少しずつ。茶ムライのスピリットを広げる活動を続ける


―現状の日本茶業界について、課題はありますか?

課題を語れるほど、業界のことは分からないですが、日本国内の産地で競うことも大事ですが、これからはそんな産地が一致団結して、良質な「日本茶」を世界に発信することが大切ではないかなと思います。
お茶を飲む人がいなくなると商売にならないので、世界中でお茶を飲む人を増やすことが一番ではと思います。


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若い世代にもお茶の魅力を伝える
茶ムライの仕事のひとつに、日本茶セミナーというお仕事もあるのですが、けっこう大変なんですよね。
人前でお話しさせていただくことも緊張もしますが、準備や後片付けも、時間と手間がかかるんです。
笑い話ですが、玉露の体験の時間が30分で30人ほどが対象でした。その茶道具の洗いものの時間だけで、3時間かかり、たいへんだなぁと疲れてしまったことも。。。
でも誰かがしないとダメだなぁと思うんです。
急須でお茶、茶せんで抹茶を点てる。
ご要望があれば、微力ながらもやり続けたいなと思っています。
これも、海外に販売行かせてもらうことで、自分の住む日本には日本茶と言う文化があるから、それを海外に向けて伝えることが業界として大切ではと思います。
まずは、飲む人を増やし、その中で、お茶屋さんや産地間で、競争することが大切では感じています。


―最後に茶ムライのチャレンジについて教えて下さい。

最近感じているのは、「茶レンジすることで、茶ンスが生まれる」と思っています。
ちょっと無理やりかもしれませんが、この言葉の中に、ふたつの「茶」の文字があります。
前向いて茶レンジすることは大事ですが、ときにお茶を飲み、自分のしていることを振り返ることも、茶レンジの中には、大切だと思っています。そうすることで、茶ンスは生まれると思っています。
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コロナ禍で何が正しくて、間違っているか、分かりにくい時代になってきました。
仕事の方法もいろいろあって、たいへんです。
でも、こんな時代だからこそ、前向いていろいろ茶レンジしていく。その中には失敗もあるし、成功もあると思います。
茶ムライさんの今後は、地域の方、いろいろな方との接点を作り、その中でできたご縁を大切にしていくことで、お茶のファンつくり、舞妓の茶本舗のファンつくりができ、いろいろな人を巻き込んでいけば、面白いことができるのではと信じています。
最後に、茶ムライ スピリッツです。
① 美味しい日本茶を世界に広める
② 日本茶の力で世界を平和に
③ 日本茶を飲んで皆で健康になろう
と大きな夢があるので、それを地道に広めていこうと思います。

―アツイ想い、聞かせていただきありがとうございました!

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【事務局スタッフのコメント】

今回の記事では、京都 舞妓の茶本舗の、茶ムライこと中坊さんにインタビューさせていただきました。
スタッフの間でも、面白い営業さんとして話題になった茶ムライさんでしたがお茶に対してはもちろん、まわりの人々への感謝や地域貢献など熱い思いを持った素敵な営業さんです。日本茶関連のことで、もしお困りの方がいましたら、茶ムライまで連絡してみてください。
中坊さん、Thank You Very Matcha!(スタッフ:服部)

 
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