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実践商談ノウハウ

地方のメーカーこそ活用すべき!SNSを活用したプロモーションについて


皆さんはSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を使っていますか?日本人口の60パーセント以上(※1)にスマートフォンが普及し、それに比例してSNSの利用者数も増え、その存在は無視できないものになっています。そして良くも悪くも人々の意識や行動に大きな影響を与えています。 ここまで大きなコミュニケーションツールとして存在するわけですから、当然、企業・個人問わず、それを販促活動などに活用していこうという取り組みは活発化しています。有料広告を出稿したり、他メディアと連携したキャンペーンを打ってみたり、なかには1億円配ります、というような奇抜なアイデアも出てくるなど、認知度の向上や、商売のツールとして利用する手法は多種多様になってきています。今後SNSの利用者がますます増加することを考えると、企業または個人がSNSを有効に活用することで、今までたどり着けなかった領域に到達することが出来る、と可能性を感じています。 特に地方の食品メーカー様にとっては、自社商品の全国的な「認知度向上」などを目指してSNSを活用する事はとても有効です。またBtoBにおいても取引先の獲得のための「人脈拡大」「商品理解」を目的とした取り組みも重要ではないでしょうか。 ここでは商品やサービスのプロモーションにSNSを活用する場合、どのようなことがポイントになってくるのかを考えてみます。 ※ここでは広告出稿については触れず、基本的な内容を書いていきます。


SNSの種類と使い分けについて

現在さまざまなSNSが存在しています。それぞれに特徴があり、ユーザー層、投稿内容の傾向など、少なからず違いがあります。複数のSNSに同じようなボリュームで投稿し続けるのはなかなか大変なので、自社にマッチしたSNSをひとつ選んで運用するのが良いでしょう。もしくは複数あるSNSの特徴に合わせた内容を投稿して使い分けるのも有効な活用方法です。
それではBtoC向けのプロモーションを念頭にして選ぶとしたら、どのSNSが良いでしょうか?「絶対に〇〇が良い」とは言えないのですが、一般的には、「食」に関するSNSとしては「インスタグラム」が適している、というように言われています。
ここで調査データを見てみます。残念ながら「地方の食品メーカーに最適なSNSは?」というようなドンズバな調査データは無いので、類似の調査結果から推察してみましょう。
※以下3点引用:株式会社ジャストシステムMarketingResearchCamp『モバイル&ソーシャルメディア月次定点調査(2019年6月度)』
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表1
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表3
表1「グルメスポット情報についての資料」を“食関係の情報”というくくりでその傾向を参考にしてみます。SNSの中ではインスタグラムの利用者が若干多いです。
表2「ファッション情報」に関するデータではインスタグラム利用者の割合がより多くなっています。これは“画像イメージ”がカギとなる「ファッション」や「食」については、利用者はインスタグラムが一番有効だと感じている、と言えます。
また参考までに、表3の情報収集の目的別データを見ると「ネタ情報」系の検索についてはSNS全体の利用割合がなんと「Google検索」を上回っています。これはSNSの「情報の共有・拡散」という特徴が、商品プロモーションや認知度向上にとても有効である、という事を示しています。
ほかのSNS、例えば「ツイッター」も写真や映像を投稿できますが、どちらかというと、感じたり考えたりした言葉や事柄を”そのときどき”に発信するツールです。しかも閲覧している人もそれを前提として見ている傾向があります。
「インスタグラム」はどちらかというとそういった時間軸ではなく、投稿される写真や動画をみて、イメージやビジュアルを共有する、そしてそれを投稿した人のひととなりや、感性を感じることのできるSNS、というように筆者は捉えています。
筆者が個人的に良く閲覧する投稿としては、「釣り情報(個人的な趣味です…)」と、「食べ物系」が多いです。「食べ物系」は、やはりつぶやきなどの“言葉”より、映像のほうがヨダレが出てきます。食に関しては、おいしそうな匂いが出てくるSNSがあれば最強だと思うのですが…。
SNSの特徴を考慮して上手く使い分けるのも良いかと思います。例えば会社の業務に関わるお知らせや、告知などは「ツイッター」で投稿し、「インスタグラム」には、イメージ画像、商品ビジュアルを投稿、というような形です。
BtoBを想定した場合は「フェイスブック」を挙げることができます。学生時代の友人や仕事を通じて知り合った人との繋がりを元に、人脈を拡げるという点で、ビジネス上の人間関係を構築していく事に長けている有効なツールです。
他には、動画に特化した「YouTube」があります。これは動画を観るだけでなく、動画を“投稿する側”になることで、有効なSNSとして機能します。BtoC、BtoBに合わせて「商品説明動画」や「調理動画」、「レシピ紹介ムービー」などを投稿することにより、さらにコアなファンを獲得することにつながるからです。
どのSNSにも投稿者のプロフィールページがあり、そこに他のSNSのリンクを貼ることで、閲覧者に他のSNSへの流入を促すことも可能です。
ここまでいろいろ書きましたが、利用するSNSを選定するにあたっては、結局運営する人の好みや得意なことなどを基準に選べば良いと思います。肝心なのは飽きてしまわずに、投稿を続けることです。


SNSのフォロワーについて

それではSNSを活用したプロモーションに取り組むうえで、まず念頭におくべきことは何でしょうか? 最終目標地点は日本全国の消費者が商品購入をしてくれるようになる、ということだと思いますが、まずはそこへ至るための手段として「フォロワー」の獲得という事になります。
SNSには“フォロワー数“や”いいね“”チャンネル登録者数“などの指標があり、投稿者や投稿記事に対しての反応を数字で見ることができます。その数字が多くなるほどフォロワー=「ファン」が多い、という目安になります。
投稿者・投稿内容に興味と共感を持っている「ファン」が多いという事は、単純に認知度が高い、という事だけではなく、その商品が評価されている、もしくは会社として応援されている、というようにも受け取ることが出来るのです。それは様々な場面で強みになります。
例えば、BtoCの側面でいうと、フォロワーは“購買者としての存在”であるのと同時に、SNS上では投稿者の記事を「拡散」する役割を担ってくれます。
例えば商品を購入したフォロワー(ファン)が、「やっぱコレ美味しい!!」などのコメントや写真を自発的に作成して投稿し、リンクなどを貼って商品を広めてくれる、というようなことを期待できます。
またBtoB的な側面でも有効性を考えてみます。
例えばSNSに地道に投稿を続けていて、何千ものフォロワー(ファン)を持っていた場合はどうでしょう。商談がうまく進み東京の百貨店もしくは小売店と契約が決まった時に「近日、東京の○○店の催事場に出店します!私もそこに居ます。ぜひ来てくださいね!」と投稿したとします。日常的にその食品メーカーさんの投稿に共感していた何千人ものコアなファンのうち、東京在住の何百人が反応します。東京では売っていないその商品を買いに、もしくは投稿者さんに会いにそのフォロワーさん達が○○店を訪れたとしたら、その店のバイヤーさんはその効果をどう思うでしょう。 このケースはある意味、首都圏のフォロワーが簡単に手にすることのできない商品を生産している地方の会社ほどその恩恵を受けやすい、と言えます。


フォロワー獲得について

そのフォロワーを獲得していく方法については、様々な手法が考えられ試みが行われています。
一時期、フォロワー数や“いいね!” など「数量」を求めるあまり、対価を支払ってアカウントを購入し、見た目のフォロワー数を増やす、という手法がありました。「フォロワー数が多い」という事が「その商品や企業に価値がある」というように思われる傾向があるためです。しかし、その手法は当然社会的な批判にさらされ、SNS運営会社による管理が厳しくなりました。そういったSNSユーザーに錯覚や混乱を与える恐れのある手法は当然避けるべきでしょう。
どのやり方が正解で、何が有効なのか、は“絶対”と言えるものはありません。リアルの社会で起こる事件や事象などに合わせて人々の考え方も変わり、それに合わせてSNSの使われ方や存在意味も変わっていくものだからです。
ただ、リアルの社会で求められている常識的な振る舞いやモラルといったものが、SNSの世界でも注視され、企業のイメージやブランディングに大きな影響を与えるという流れはより強くなっていくのは間違いないでしょう。
ですからSNSの発信をする際、気の利いた言葉やキレイな写真だけでなく、発信する本人のひととなりや、誠実さ、企業の社会貢献姿勢などが、「見える」「感じられる」投稿を意識することが重要になってきます。そしてそのような発信を地道に続けることが、遠回りのようで、実はコアなファン(フォロワー)を獲得していく一番確実な方法であると考えています。
地方の食品メーカー様のケースで考えると、その地域の事、会社として積み上げてきたもの、これから目指していること、商品開発の背景、商品に込めた想い、などを丁寧に発信し続けていくのが良いのではないでしょうか。


まとめ

これまで当たり前のことを書き連ねてしまいましたが、SNSを眺めていると、商売っ気がにじみ出ている投稿を目にしたり、インフルエンサーを使って商品キャンペーンを大規模に展開したりする大企業も数多くあります。逆に「これ店舗の投稿だったのか?!欲のない会社だなあ」と驚くこともあります。色々な発信の仕方があり、考え方があると感じています。
簡単ではないですが、SNSは基本無料ですので、ぜひ上手に活用して商品が売れて会社が繁盛されるように願っております。
今回はここまでにして、次回はちょっと日をおいて、具体的な発信・投稿について考えていきたいと思います。長文お読みいただき、ありがとうございました。
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資料出典:
※1)総務省情報通信白書令和元年版

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