1. HOME
  2. FOOON
  3. 適切な表示で食の安全性を高めよう!                                                                    食物アレルギー表示のポイントを解説
適切な表示で食の安全性を高めよう!                                                                    食物アレルギー表示のポイントを解説

実践商談ノウハウ

適切な表示で食の安全性を高めよう!                                                                    食物アレルギー表示のポイントを解説

特定原材料を含む食品への記載が義務化されている、食物アレルギー表示。実態に即して常に見直しが検討されており、食品事業者は食物アレルギー表示に関する最新情報の把握と、迅速な対応が求められています。今回は、食品事業者が注意すべき食物アレルギー表示のポイントについて解説します。

食物アレルギー表示の必要性とは

食物アレルギーとは、摂取した食物に含まれる特定のたんぱく質(アレルゲン)を体が異物と認識し、防御反応としてアレルギー症状を起こすことです。
主なアレルギー症状にはかゆみ、蕁麻疹(じんましん)、唇やまぶたの腫れ、喘息などがあります。血圧が低下してショック状態に陥り、命に危険が及ぶ場合もあることから、食物アレルギーを持つ方は食べるものに注意を払わなければなりません。
食物アレルギーを持つ方が安心して食を楽しむためには、食品事業者による適切な食物アレルギー表示が必要です。食品事業者は、食品表示基準に従って食物アレルギーに関する表示をおこないましょう。



食物アレルギー表示のポイント

食物アレルギーの表示には細かなルールが設定されています。ここでは、食物アレルギー表示の最新情報に加えて、注意すべきポイントを紹介します。


特定原材料に「くるみ」が追加

表示対象となるアレルゲンは「特定原材料」と「特定原材料に準ずるもの」の2種類があります。特定原材料とは、アレルゲンとなる食品のうち、症例数が多い、アレルギー症状が重篤などの理由により、表示が義務付けられている食品のことです。
一方で、特定原材料に準ずるものとは、アレルゲンとなる食品のうち、ある程度の症例数や重篤な症状が確認されているものの、特定原材料ほど多くはない食品を指します。特定原材料に準ずるものは、可能な限り表示することが推奨されています。
くるみは特定原材料に準ずるものに含まれていましたが、症例数の増加により特定原材料に加えられました。2025年3月31日までが経過措置期間とされているため、食品事業者はこの期間内に原材料や製造方法を再確認し、容器包装などへの記載対応を完了させましょう。
また、2024年3月には、特定原材料に準ずるものに「マカダミアナッツ」が追加され、「まつたけ」が削除されています。以下の表に2024年9月現在の特定原材料および特定原材料に準ずるものをまとめたので、確認しておきましょう。
出典:加工食品の食物アレルギー表示ハンドブック
出典:加工食品の食物アレルギー表示ハンドブック

食物アレルギー表示の対象範囲

食物アレルギー表示の対象となるのは、アレルゲンを含む容器包装された加工食品および添加物です。アレルゲンに由来する添加物を使用した生鮮食品も対象に含まれます。
一方で、容器包装に入れずに販売するばら売りや量り売りなどの食品や、飲食店の店内やデリバリーで提供する食品は、食物アレルギー表示の対象外とされています。ただし、飲食店で容器包装に入れた食品を販売する場合は、食物アレルギーの表示が必要です。
また、酒類や食品製造時に使用されるアルコールは表示の対象範囲に含まれていません。顔が赤くなる、動悸がするなどの症状が食物アレルギーとアルコール、どちらの影響によるものか判断がむずかしいため、現状は表示の対象から外されています。


代替表記と拡大表記

基本的に「マヨネーズ(卵を含む)」「キチン(かに由来)」など、食品の名称の直後にアレルゲンを含むことを表示します。しかし、代替表記と拡大表記を使用する場合は、アレルゲンを含む表示を省略してかまいません。
代替表記とは、特定原材料などと表示方法や言葉が異なるものの、同じ食品であることがわかる表記です。具体的には、特定原材料「卵」に対して「玉子、たまご、エッグ、鶏卵」などの表記が認められています。代替表記は限定されているため、詳細は食品表示基準などを確認してください。
また、拡大表記とは、原材料の名称に特定原材料や代替表記を含んでおり、アレルゲンが入っていることがわかる表記です。例えば、特定原材料「卵」に対して「厚焼玉子、ハムエッグ」などが拡大表記に当てはまります。
ただし、「卵白」「卵黄」は名称に卵の文字を含んでいますが、消費者にとってわかりやすいように「卵白(卵を含む)」といった食物アレルギー表示が必要です。


表示の免除

特定原材料などに由来する食品や添加物でも、抗原性試験などによりアレルゲンによる影響が認められない場合は、食物アレルギー表示が免除されます。ただし、キャリーオーバーや加工助剤が8品目の特定原材料に由来する場合は、アレルゲンを含むことを表示しなければなりません。
キャリーオーバーとは、含有量が微量で食品への効果がない添加物のことです。加工助剤とは、食品の加工の際に使用されるものの、完成前に除去される添加物などを指します。これらは完成後の食品にほぼ含まれないと考えて、食品表示基準により原材料表示に名称を記載する必要はないとされています。
しかし、キャリーオーバーと加工助剤が特定原材料に由来するものであれば、アレルギー表示をおこないましょう。


適切な食品アレルギー表示で事故を防ごう

食物アレルギーは消費者の健康に関わる事柄であるため、数多くの細かなルールが規定されています。食物アレルギー表示は、消費者へ食品を届ける食品事業者の責務です。食物アレルギー表示のルールを理解して、適切な表示に努めましょう。

記事カテゴリ

特集

特集

食に関わるありとあらゆる情報をお届け

実践商談ノウハウ

実践商談ノウハウ

スタッフが間近で見た商談の成功例をレポート

目利きの視点

目利きの視点

いいモノ発見、価値を見抜くプロの目で選ぶ技!

想いのバトン

想いのバトン

生産者のこだわり、取り組みや活動をレポート

全国特産品ファイル

全国特産品ファイル

日本全国からキレのある商品をスタッフが厳選!

FOOON掲載商品が気になったら、
バイヤーズキッチンで
売り手と商談ができます!

バイヤーズキッチン

バイヤーズキッチンは
地域の食が集まるコミュニケーションサイトです。
FOOON掲載商品以外にも多数の地域食品が出品中!
全国から集まった食品の売り手と
オンライン商談できる他、
試食展示会などのイベントも開催しています。

サービス内容に関するお問い合わせ

お問い合わせフォーム

もっと詳しく知りたい方は、
お気軽にお問い合わせください。
担当者よりご連絡させていただきます。

FOOONにあなたのエピソードを掲載しませんか?
編集部がインタビューに伺います!

記事作成依頼はこちらから